温泉無常

日本国内には色々な温泉があるので、それらを知る一つのきっかけになれば幸いです

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新鮮=パーフェクトではない、温泉の熟成という視点

私は温泉ソムリエの講座を東京で受けて、現在温泉ソムリエマスターなのですが、本当に温泉を学ぶ良い企画だと感じます。

温泉ソムリエになると定期的に情報がメールで送られてくるのですが、その中で「温泉の熟成」に関するお話が書かれていました。

もう何年も前のことですが、なるほど・・と衝撃を受けた記憶があります。

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もくじ

 

 

新鮮な湯が良いことに変わりはないが

 

温泉は鮮度が命と言う方も多いですし、私もそう思います。

新鮮な温泉は非常になめらかで、言葉では言い表せないようなフレッシュ感が体を包むのです。

炭酸飲料は注いだ直後にグッと飲むのが旨いですが、温泉もそれと同じで注がれた直後の湯が良いのです。

故に大量掛け流しの温泉や足元自然湧出の温泉が好まれます。

私は時間の経過と共に温泉の魅力は悪化の一途を辿ると思っていましたが、この思い込みに待ったをかけたのが熟成という考えなのです。

 

 

変化を楽しめるのが温泉

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例えばこの白濁の濁り湯も、湧き出ている湯は透明です。

最初は透明でも、湯の中に溶け込んでいる成分が固まって濁りが生じてきます。

なお、腐植質を含む温泉は最初から着色した状態で湧きます。南関東に多く湧出する黒湯の湯口を見てみるとよく分かりますよ。

 

濁りは、嫌な見方をすれば満たされてから時間が経った証とも言えます。

でも硫化水素型の硫黄泉でもジャンジャン湯が注がれてオーバーフローしている温泉は濁らずに透明のままです。

 

ただ、シンプルに濁り湯って美しいですよね。

「濁り湯」で画像検索をするとたくさんヒットするでしょうが、いつまでも見ていられると言いますか、行きたいなぁと思ってしまいます。

温泉雑誌などでも濁り湯がデカデカと掲載されているのを見ると、やはり多くの人の心を惹きつけるのだと思います。

他にも鉄分が含まれていたら茶褐色になりますし、成分によってグリーン・青とか色々な姿を見せてくれます。

 

もし温泉を鮮度だけで語って他を切り捨てるとしたら、少しもったいないように思いました。

老いる過程を大切にするという感じですね。

 

あえて毎日換水しないからこその恩恵

 

日本には青湯という青い温泉がポツリポツリとあります。非常に珍しい温泉。

どの施設だったかうろ覚えなので「某施設」とさせていただきますが興味深いエピソードがあります。(エピソードはよく覚えているのにどの施設か忘れるという謎状況)

 

青湯は時間の経過と共に色が濃くなって、その後だんだん色が悪くなりますが、浴槽に満たしてから大体数日で一番鮮やかな青色になるようです。

つまり、毎日換水しているとピークを迎える前に湯が流れてしまうのでもったいないのです。

桜を七分咲きで切るみたいな・・・?

 

鮮やかな青色の時間は長く続く訳ではなく、単に長く満たしておけば良いという問題ではありません。それに、衛生面でのリスクも上がります。

鮮やかな色のピークを過ぎたぐらいで換水というサイクルを、絶妙に繰り返すことで我々は美しい青湯を堪能できるのです。

まさに源泉の特性を知り尽くした職人技という感じがします。

 

 

 

 熟成し過ぎは良くない

 

熟成し過ぎと言いますか、毎日色々な人が入る浴槽を放置し過ぎると衛生的な問題が生じます。

たまに温泉成分で異常なくらいヌメヌメしている状況に遭遇すると、どれだけ換水していないのだろう?と気になってしまいます。

また、濁り湯なのにほとんど温泉臭を感知できないような温泉もかなりフレッシュ感が失われているという印象。

 

 やはり先ほどの青湯のように絶妙なタイミングでの換水は欠かせないようですね。

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おわりに

 

本当に温泉は色々な姿を見せてくれますし、それによって楽しみが広がります。

温泉に限った話ではありませんが、幅広い視点は大切だなと感じますね。